草むしり

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1

雑草が伸びている。
長い冬が終わり、雪との戦いもやっと終わったと思ったら、今度は草だ。

私の嫁いだ家はある商売をしていたこともあり、結構な広さの土地を持っていた。今は廃業し結局その土地も必要ないように思えたが、夫が違う商売を始めたいと言ってきた。

数年前から調子を崩し家で過ごすことの多かった夫だが、どこかに勤めに出る気配もなく、やりたいと言ったその商売もうまく行く気などしなかった。けれどやっとの思いで吐き出したようにそう言った彼の顔を見ていると、やめたほうがいいとはとても言えなかった。

結局私もその商売を手伝うことになった。
1年前から久しぶりにフルタイムで始めた仕事は、人間関係もよく楽しかったのだが、経営者が変わることになり、一緒に働いていた同僚とも離ればなれになる上、職場そのものも移動を余儀なくされたため、やめることにしたのだ。

そして今草との戦いだ。
土のあるところには草が生える。
土地があるということは、草の生える場所もたくさんあるということだ。
雨の後などはびっくりするくらい一気にその丈を伸ばし、気を滅入らせる。

しかし、ずっと草取りをしていると草の中にもお気に入りのものとそうでないものが出てくる。背の丈が低く、可愛い花が咲くカタバミなどは、グランドカバーと言って、あえて生やしたままにすることで他の草が生えるのを防いでくれる。

そのほか黄色い花が咲き、茎や葉の表面に細かい毛が生えて銀色がかって見えるハハコグサは、名前も可愛らしくちょっとした瓶に生けても風情がでて好きだったし、どちらかというと嫌われることの多いドクダミは、実は格の高い花で、茶花としても使われることがあるくらいなので、これもまた好きだった。

ハルジオンは花が咲いている時は可愛らしいのだが、咲き終わるとタンポポのように綿毛を飛ばしどんどん増える。
面倒でも花が咲く前にとってしまった方が良いのだが、この間ハルジオンを引っこ抜きながら気づいたことがある。
いい匂いがするのだ。

花の咲く前なので花の香りではない。茎や葉が香るのである。
思いがけず素敵な発見をして悪者のイメージが和らいだ。

一方、抜いても抜いても生えてくるスギナや、根が深く引っこ抜くのに力がいるイネ科の草などは、憎ったらしくなるくらいだった。
いっそ草刈機で一気に刈ってしまいたくなるのだが、それらに混ざって大事なフクロソウなども生えているので、やはり手で取らないとダメだ。

そんなふうにして私は毎日草と戦っている。
もう少しすると気温が上がり草取りも熱中症の危険が出てくる。そして何より蚊が出てくる。そうなったら今度は夫の番だ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク